第8回人材育成講座

 NPOのための「変更登記」


 ●講師:斎藤 明彦さん
       (仙台法務局民事行政部法人登記部門 登記官)
 ●日時:2006.11/17
(金) 13:30〜16:00

 
【講座内容】
参加者からの事前質問に対する回答/変更登記の留意点/質疑応答
【資 料】
講師作成レジュメ
NPO法人ガイドブック 管理と運営
               p.14・p.15
【参加者】
計28名 (要約筆記通訳者2名)




写真A

毎年度,NPO法人にとって法務局とのやり取りは欠かせないもの。法務局への登記事項が変更になれば『変更登記』の手続きが必要になる・・・ということ。分かっていても年度末が近づくと,「何が変更になったときに法務局へ行かなければならないの?」また「書類の体裁など決まりごとはあるの?」など,戸惑うことが多いのではないでしょうか。簡単なことのようで,迷ったり悩んだりすることが多いのが現状です。今回は,その疑問や迷いを解消すべく,仙台法務局より登記官を招いて,親切丁寧な講義を受けることができました。

 11月17日現在,宮城県の認証団体は440団体。その内の22の法人が参加し,仙台法務局民事行政法人登記部門 登記官 斎藤明彦氏より,予定時刻をオーバーしてしまうほど盛りだくさんの講座となりました。

 法務局に登記している内容に変更が生じた場合,すべて変更登記が必要になります。全ての法人において定期的に登記が必要となる事項は,“理事の変更登記”と“資産の総額変更登記”です。

 例えば,定款の変更では「事務所所在地」「資産に関する事項」「広告の方法」の変更は,所轄庁への届け出と法務局への変更登記が必要です。また,役員や目的などの登記事項に変更があった場合は,「定款変更の認証申請」を所轄庁に提出。縦覧期間を経て所轄庁から認証を受けてから法務局での変更登記が必要となります。期間は,認証を受けてから主たる事務所の所在地での登記は2週間以内に,従たる事務所の所在地の法務局には3週間以内に登記することになります。講座レジュメを参考に,変更事項ごと,様式ごとにコメントが記載され非常に分かり易い資料で,受講者たちは順を追っての解説に,疑問や迷いを一つずつ解決しながら,変更登記の手順を学びました。

 他には,提出する書類の「割り印(契印)について。申請書も添付書類も,その書類が2枚以上の場合は,一体とした書類であることのためにすべて「割り印(契印)」が必要です。割り印(契印)は,それぞれの書類が2枚以上の場合に,複数の紙が一体であるために押印しますので,その書類に押印した人の印鑑で割り印(契印)します。その際,書類は左側をホチキスで綴るか,袋とじにして作成します。そして,綴った書類を開いて,綴り目などに割り印(契印)を押します。(※写真A参照)
 
 登記の申請の際は,その申請事項の根拠として,各種の添付書類を添付しますが,これらの書類は原則として原本を添付します。しかし,原本書類は法人にとっても重要な書類です。そこで提出する必要のある書類のコピーを取り,余白に「これは原本の写しに相違ありません」(定款の場合は,「これは定款の写しに相違ありません」)と明記し,法人名,法務局に代表印を届けている理事の氏名を記載し,その代表印を押印し,原本を証明します。この時,写しの頁が複数枚にわたる場合は,左側をホチキスなどで閉じて各頁ごとに割り印(契印)を押します。登記申請の際は,原本と写しの両方を持参し,法務局職員に原本と写しが相違ないことを確認してもらい,原本は返してもらいます。
 
  変更登記に必要な書類をパソコンで作成したいという要望も出てきています。様式をホームページからダウンロードできます。法務局のホームページ(http://houmukyoku.moj.go.jp)の「商業・法人登記申請」に「商業法人の各種書式(設立や役員変更,主たる事務所の移転や資産総額変更など)」が掲載されています。ぜひご活用ください。

 NPO法人のみなさん,登記は義務です。認証されて登記したから終わりではありません。少なくとも一年に一度は最寄の法務局にお世話になります。登記の手続きを怠ると過料が発生することがありますので,ご注意ください。市民からの信頼性を高める団体を維持するためにも,必要な手続きを適時に済ませましょう。


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