報告

  第2回マネジメント講座
  行政職員のためのNPO理解講座

  ●講師:大久保 朝江さん((特活)杜の伝言版ゆるる代表理事)
  ●日時:2007.5/18(金) 14:00〜16:00

 

5月を迎え、今春からNPO担当部署へ配属となった行政職員を対象にNPO理解講座を開催しました。

市民へよりよいサービスを提供するためにNPOと行政とが協働で事業を展開し、効果をあげるためにはNPOは行政を理解し、行政はNPOを理解する相互理解が重要です。これまでの市民サービスの提供主体は行政であり、公平・平等に提供していましたが、市民ニーズの変化により自主的に活動を組織したNPOが公共の担い手として登場し、行政と共に公共サービスを提供しています。

町内会などの地縁組織も住民の自主的な活動であり、地域によってはNPO的活動を展開しているところもあります。NPOと地縁組織との違いは、地域を限定せず、広く、ある課題の解決へ向けて活動するコミュニティを形成しているのがNPOといえるでしょう。

NPOとは、営利を目的とせず、市民が自主的・自発的に組織した社会貢献活動を行う団体であり、市民参加により、問題解決に向けたアドボカシー(政策提言)や仕組みの構築・サービスの提供を行う運動体であり、事業体です。
非営利とは、利益を目的としないという事です。NPOは儲けてもいいが、関係者だけで山分けをしてはいけなく(非配分)、ミッションに沿った活動に変えて地域に還元することなのです。新しい活動をするためには、会費や寄付金などでは賄いきれない資金を他の収益事業からの資金により実現できるという点もあるといえます。

NPOと行政とが協働する場合、お互いの特徴を最大限活かすことが重要です。NPOと行政の特徴の違いは、行政は公平・平等の立場から実行までに時間がかかり、簡単には企画変更ができないが、計画通りに広い範囲の大規模な事業が展開できること。一方、NPOは問題の認識が早く、やれる範囲の解決策を柔軟に検討し、まずは実行につなげる行動力があります。また、企業との違いは、NPOはボランティアという無報酬で関わる人がいる点で大きく異なっており、企業は利益を株主や経営者へ利益を還元するために、利益の上がる見込みのないサービスを提供する事は通常考えにくいといわれます。

NPOと行政との協働は、様々な形態がありますが、活動の先にいる市民(受益者)の利益となるよう考えなければいけません。特に次の点が重要です。
・ 行政の提案と市民からの提案を対等に論ずる場の確保
・ 双方とも常に情報共有し、受益者にとって何が一番かを認識する
・ NPOならではの特徴を活かす
・ 事業実施する際は以下を確認する
    ・目的の共有
    ・評価の到達目標の確認
    ・責任の範囲の明確化


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