「ボランティア」の3原則は「自主性」「無報酬」「公共性」。何より“自らの意思ですすんでする”という自主的、自発的に主体性を持ち活動することに重点が置かれます。
NPOにおいて、ボランティアの参加は、ほとんど基本的条件と言ってもいいのではないでしょうか。組織自体、もともとボランティアの人達によって創設された場合が多く、ボランティアとの協働は必要不可欠になっています。また、社会福祉施設などのように、すでに法人格を持って有給スタッフが確保されている組織においても、ますますボランティアへの期待は高まっている状況です。
ところが、現実には、「思うようにボランティアが集まらない」「ボランティアが定着しない」とボランティアの受け入れがうまくいっていない組織も多いのも事実。ボランティアは単なる「人手」「労働力」ではなく、サービスを受ける人のパートナーであり、NPOや社会福祉施設にとっては地域に自分たちの活動を伝える広報者であり、評価する存在でもあります。期待する成果を生み出すためには、ボランティアと受け入れるNPOとの両方のニーズを充たす「ボランティアメニュー」をしっかり作ることが重要です。
「ボランティアメニュー」を作るポイントとして、次のことが挙げられます。
●何のために受け入れるのか目的を明確にしましょう。
なぜボランティアが必要なのか。漠然としたボランティアではなく、具体的な内容を明確にしましょう。
●ボランティアをしたい人のヒアリングを(最低1時間は)しっかりとしましょう。
「登録カード」を作成し、何がしたいか、なにができるか、ボランティアに参加できる時間や曜日、地域などヒアリングしながら記入していきましょう。
●ボランティア自身が「選べる」こと。
ボランティアの自己実現を支援していくためにも、仕事を分け、時間の設定を細分化し、ボランティア自身が「選べる」環境を作りましょう。
●「感謝」を伝えましょう。
感謝の気持ちを伝えることは、次回の活動への励みにつながります。どのような方法で感謝の気持ちを表すかは、それぞれで工夫してみましょう。
●活動の終了後、あるいは定期的に、「振り返り」を行いましょう。
ボランティア、スタッフともコミュニケーションを取り、サポートできる振り返りが大切です。次はどうしたらいいか、そのために何ができるか一緒に考えることで、次の活動につながります。また、お互いに期待していた成果があったのかどうかも振り返りましょう。
ボランティアにとっても、NPOや社会福祉施設にとっても双方が良い結果となるには、受け入れ側の準備が重要になります。ポイントを押さえ、ボランティアが力を発揮できるようにしっかり「ボランティアメニュー」を作りましょう!
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