8月24日(水)、NPOの基礎を学ぶ「NPO夜学〜あなたにもできる市民活動〜 基礎編」を開催しました。「働きながら、あるいは学校に行きながらの市民活動への参加」というテーマの元、働き世代の方から学生さんまで、幅広い層の方が受講されました。
前後編で開催された今回の講座。前半は「NPOの基礎について」を大久保朝江館長より、後半は「実際のNPOの活動について」伊藤清市氏(ゆにふりみやぎ代表)よりの二本立てで開催されました。
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1.NPOとは
【NPOとは】
Non-Profit Organization=民間非営利活動組織。「どこにいようと地域を支える人=市民」が、解決したいと考えている問題を行政に頼むのではなく、「自分達がなんとかしなくては」という市民性から、自主的・自発的に問題解決に乗り出す活動を市民活動という。この活動に営利を目的にせず、複数人で合意形成を図りながら活動する組織を「NPO」と言う。
【営利の意味とは】
ここでの営利は「利益が目的であるか」という点が問われる。企業などは、儲けた分は賞与や配当という形で従業員、株主などに還元される。それに対して、NPOは儲けた利益を活動に換えて地域や問題解決に還元する。その中に、団体として組織されている集団=NPOを維持するための費用が必要になる。このために収益を上げる必要がある。したがって「その利益が最終的に何に還元されるか」が重要になってくる。雇用に支払われる費用は、団体の活動を支えた労働の対価として支払われる。
【ボランティアとNPO】
NPOを考える上でたびたび混同されるのが「ボランティア」という言葉であるが、ボランティアは基本的に「主体性」「公益性」「無償性」のボランティア三原則から成る。対して、NPOは団体で活動するため、維持費などがかかることが多い。そのため、無償性はそれほど強調されない。
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2.実際のNPOについて(ゲストより)
【団体紹介:ゆにふりみやぎについて】
「ゆにふりみやぎ」とは、「ユニバーサル」「バリアフリー」の略称。主な活動は、「宮城・仙台のバリアフリー情報の提供」、「バリアフリー住宅の新築・リフォームの無料相談」など「人と住まいをつなぐ団体」。団体の目的は、「障がいやバリアフリーを市民により理解してもらうこと」。代表の伊藤さん自身が車椅子生活を送っていることから、もっと車椅子利用者の役に立つ情報を共有したいと考え、活動が開始された。現在NPO法人申請中。(平成23年10月認証)
【NPO法人化について】
事務作業の負担増大や経営が非常に難しいという課題から、これまで法人化は考えておらず、現在まで任意団体の“NPOゆにふりみやぎ”として活動してきた。しかし、この度大きな事業を受けることとなり、NPO法人化を決意した。
【団体として活動にあたって】
今回大きな事業を受けることになったが、それはNPO活動を粛々と継続していたことが大きな要因だと考えている。地元を取り上げる雑誌の中の対談に「ふくしマップ宮城」の取り組みなどが取り上げられていた。後日、雑誌内で対談していた方とツイッターでやり取りがあったが、そこでのやりとりが元で事業の受託につながった。このように、どこに人や事業とつながるきっかけがあるか分らない。だからこそ、団体の活動に心酔でき、みんなが共有できて、問題意識を継続することで、活動を長く継続して実績を積んでいくことが重要だと言える。
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