<現状のNPO法人会計の問題点>
NPO法人は、会計や事業内容を毎年所轄庁に提出し、公開することが義務付けられています。会計書類である収支計算書は書式が統一されておらず、それぞれの団体が独自の書き方で作成しています。このため市民から見てNPO同士の比較対照ができない、経営状態が見えにくく信頼が得にくい、という問題が生じています。
<「NPO法人会計基準策定協議会」とは?>
上記の問題を解決するため、全国のNPO支援組織が中心となって、2009年3月にNPO法人会計基準策定協議会が発足しました。協議会の下には会計の専門家や研究者からなる「NPO法人会計基準策定委員会」が設置され、「NPOにとって使いやすく、市民にとってわかりやすい、比較可能な決算書」を目指して基準案作りが進んでいます。
<開催内容>
今回の集会は、2009年11月に発表された中間報告を受けると共に、宮城・東北のNPOや専門家が意見交換を行う場として開催されました。東北地域では仙台のみの開催だったため、東北6県からNPOや専門家、行政職員など45名が参加し、会場となった交流サロンは熱気に包まれました。
第一部でNPO法人会計基準策定委員の瀧谷和隆氏から中間報告の説明を受けたあと、第二部では5つのテーブルに分かれて意見交換を行いました。特に活発な議論が交わされたのが、小規模法人に対する配慮についてです。小規模法人には、(処理が簡単な)単式簿記も許容すべきではといった声が上がる中、配慮をすることで社会への信頼性を低めてしまうのではとの懸念も示されました。このほか、施設の無償提供や、ボランティアの無償労働をどのように扱うかなど、NPOならではの議論も交わされました。参加者から出された意見は協議会に送られ、それらをもとに最終案が作成される予定です。
詳しいレポートはOne to One vol.53(PDF形式)をご覧下さい。
《参考》NPO法人会計基準協議会 http://npokaikei.blog63.fc2.com/
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