日本における市民活動の社会的認知を大きく前進させた出来事として、平成7年1月に発生した「阪神・淡路大震災」において、迅速に献身的な取り組みを見せたボランティア活動・市民活動の活躍があげられます。
宮城県においても、既に幅広い多様な市民活動が営まれおり、その経験と成果が蓄積されていました。さらには平成10年3月の特定非営利活動促進法(NPO法)の成立を契機に、社会的使命の自覚や組織運営の方法についての関心が一層の高まりを見せ、さまざまな分野でネットワークが形成され、情報発信と交流活動も推進され、民間の市民活動組織が結成されるなど活動の内容が深化し、領域が広がっていました。
それを機に宮城県では、これからの社会づくりにおいて、これらNPO活動の促進が不可欠との認識に立ち、平成10年に「県内NPO活動実態調査」や宮城県議会との共催による「みやぎのNPOなんでもフォーラム」を行い、広く市民活動団体や市町村職員の意見を聞き施策の検討を進めてきました。
合わせて、NPO活動の促進に関して、県が取り組むべき課題や支援の在り方を検討するために「NPO活動促進検討委員会」を設置しました。
「みやぎNPOプラザ」は、平成10年11月、NPO活動促進検討委員会から知事に提出された「宮城県のNPO活動促進策に関する提言」の中でその設置が提案されました。また、同年12月県議会で議員提案により制定された「宮城県の民間非営利活動を促進するための条例」(平成11年4月1日施行)においても、その整備に関する事項を定め、必要な施策を講じることとされました。
その後、平成11年5月に6人の委員で構成される「NPO活動促進中核機能拠点整備検討委員会」を設置してプラザのあり方の検討を依頼。5回の検討委員会と2回の意見交換会を経て、平成11年8月に「NPO活動促進中核機能拠点(仮称「みやぎNPOプラザ」)整備に関する報告書」が提出されました。
県では、その報告書に基づき旧県立図書館の改修工事の設計を行い、平成12年7月に着工、平成13年3月末に改修工事が終了しました。
それまでの間県では、上記の整備検討委員会のメンバーを中心に組織された「NPO活動促進中核機能拠点整備委員会」と共に具体的な運営方法等の検討を行うとともに、レストラン、NPOショップ及びNPOルームへの入居団体の公募、運営関連業務の受託団体の公募などを実施しました。
また、平成12年11月の県議会においては「民間非営利活動拠点施設条例」を制定し、平成13年4月のオープンを正式に決定しました。
平成13年4月21日に行なわれた開館式には約120名の参加者が集まって開催され、プラザの運営が開始されました。
第1部のセレモニーでは、浅野知事と整備委員会委員長、県議会議長の祝辞、そしてテープカットが参加者の祝福の元に行なわれました。
第二部では、知事と白石市長、岩出山町長による記念座談会が「みやぎNPOプラザへの期待」と題され行なわれました。知事自らがコーディネートをし、観客を巻き込んで多いに盛り上がりました。
続いてパネルディスカッションが「21世紀を拓くNPO」と題して行なわれ、これも時間が足りなくなる程の熱い議論が交わされました。
最後に、参加者が一堂に会しての交流会で盛り上がり開館式を終了しました。
平成10年度から検討を重ねてきて、一般市民も巻き込んで整備してきた「みやぎNPOプラザ」だけに、開館式には感無量の方がいたように、それだけ寄せる期待は大きいものがあるといえます。
また、オープン後、県内のほとんどのマスコミが取材にやってきたことも、県政が初めて取り組むNPO関連施設ということだけではなく、社会がNPOに寄せる期待、プラザに寄せる期待の大きさを物語る一端といえます。 |