報告


  第9回NPOマネジメント講座
  技あり!うまい会議の進め方

  ●講師:波多野 卓司さん(経営コンサルティング波多野事務所 代表)
  ●日時:2007.12/12(水) 18:30〜20:30

 
12/12講座の様子
12/12講座の様子
12/12講座の様子

「いつも長引く!」「なかなか結論が出ない!」――こうした会議での困りごとは意外と多いもの。しかし、会議の進め方にはいくつかのポイントがあります。それぞれのポイントを押えて、会議をスムーズに進めてみましょう。

○参加者全員から意見を引き出す
会議では必ずテーマや決議事項があります。事前にそれらを確認するだけでも、会議の進み具合は違ってきます。そのためにまず、決議事項ごとに「ファシリテーター」を決めます。
ファシリテーターは、会議のテーマや決議事項の確認と時間配分、また、場づくりや話が外れそうな時の軌道修正など、一連の進行役を務めます。ここで注意しなければいけないことは、ファシリテーターはあくまでも会議の進行役であって、仕切り役ではないということ。参加者全員から「意見を引き出す」ことがファシリテーターの最も重要な役割でもあるため、役割についてはきちんと把握しておくことが必要です。会議ではまた、『出た意見を鏡のように場に返す(ボードや模造紙などに書き出していく)』ことが大事であると、波多野さん。人は自分を分かってくれる(自分の存在を受け入れてくれる=認知してくれる)人のことを信頼するものであり、存在を受け入れてもらうと人は安心し自由になれるので、会議において「意見を書き出す」作業は、参加者の“居場所”を作り、参加の意識を持たせ、積極的な意見の引き出しを促す効果があるとのこと。発言することが難しい場合は、ポストイットなどにそれぞれ意見を書いてもらい、それを発表するという方法をとっても構わないそうです。

○会議は3つのステップで進める
次に、参加者から出されたさまざまな意見をいくつかの柱に分ける(分類する)作業を行います。講座では「ミーティング集約シート」を使用しましたが、意見を書き出すときは、@出された意見は要約せずにそのまま書くA色分けをするなどの工夫をして、分かり易くするB日時や参加者名を記入する――といったポイントを押えて分類していくと良いとのこと。ここまでが会議進行の第1ステップになります。ここで大枠が決まったら、テーマに応じて「素材だし」や「現状把握」等を行う第2ステップへ進みます。そして再度、全員から意見を出してもらい、それらをまとめたら、第3ステップで「スケジュール」や「対策」を決めます。ここで注意しなければならないのが「情報の共有」についてです。情報の共有がないまま対策をしても、会議がダラダラしてしまうだけとのこと。それを防ぐために、ステップごとに意見出しとまとめの作業を行い、会議の内容を詰めていくのが良いそうです。そうすることで会議の行き詰まりもなくなるとのことです。

○組織を生きるために必要なこと
講座では、「組織の生き方」についても教えていただきました。

・相手のことを全身で「聴く」
組織を生きるとは1対1の関係を築くこと。そのために大事なのは「聴く力」。会議で出た意見を書き出すことは「聴くこと」を意味するとのこと。組織の中でお互いを信用し合うには、全身で相手の言うことを「聴く」ことが大切。
・送り手全責任の原則
情報の伝達において、「言った、言わない」という双方の間のズレが生じることがありますが、それは100%送り手に責任があるというルールをつくって責任を明確にする。
・トラブル歓迎の原則
トラブルは無理に起こす必要はないが、もし起きてしまった場合には、次に良くなるために起きたのだと捉え、少し余裕を持って対応することが大事。
・「声掛け」をする
チーム(組織)をまとめるためには、ちょっとした声掛けが必要。
・「知・知」の関係を作る
ある事業に関わるもの同士、お互いに情報を共有する必要がある。「知・知」の関係がつみあがっていくことが組織の中では大事である。
・人の良いところを見る(場をケアする)
組織の運営は一つのドラマである。ドラマは筋書きが良くなければ面白くないもの。良い筋書きの物とは「人の良いところを見よう」という思想が中核にあるドラマのこと。人の良いところを見る(場をケアする)人が多い組織ほど、良い方向へ進む。


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