報告


  第11回NPOマネジメント講座
  資金獲得のポイントを学ぶ!

  ●講師荻上 健太郎さん
     (日本財団 経営企画グループ 情報コミュニケーションチーム)

  ●日時:2008.2/26(火) 14:00〜16:00


 
2/26講座の様子
2/26講座の様子
2/26ワークの様子

「新しい事業をしたいけれど、資金がない・・・」―資金繰りの問題は多くの団体が抱える一番の悩みですが、そんな時の頼みの綱として「助成金」があります。でも「助成金」は申請をしたからといってすぐにもらえるものではありません。提出する書類の書き方には助成金ならではの特徴があります。申請書の中にある各項目の意図や書き方のポイントを学び、スキのない申請書を作成して助成金の獲得に挑戦してみましょう。
次に講座で学んだポイントを抜粋しましたので、ぜひ確認をしてみてください。

○バランスの取れた資金源を目指す
「NPO(非営利)の活動をしているのに、お金の話をするのは良くないのでは?」と思われている方は多い。しかし、団体として組織の運営をしていくにあたり、お金についてはしっかりとした管理をすることが大事である。NPOにとっての資金源は、会費や寄付、事業収益、補助金、助成金、委託金、融資・・・と多種多様。それぞれの特徴を知り、バランスの取れた資金源(=多様な支援者)を持つことが必要だ。課題解決のためには関わる人を増やすことが必要だが、多様な資金源の確立はそれを可能にする(このことはNPOのミッションでもある。)

○積極的に情報公開や情報の発信をする
NPOとして情報公開や情報の発信をすることは法的義務であるが、活動の活性化を促すためにも必要なことである。また、誰もがメディアを活用できる時代となり、情報の発信をしているか否かが瞬時に分かるようになった。助成金の審査をする担当者は、申請書だけでは分からない部分をネットで検索することがあるが、それにより団体側が情報を出しているかどうかの確認もしている。

○助成金を申請する前に確認すべき3つのこと
「もらえるのであれば、もらいたい」ではなく、@果たして助成金をもらう必要があるのかどうか、またA助成金をもらうことで何ができるのか、そしてB事業後の展望をどのように捉えているか、の3つについて団体内部できちんと確認をしておくことが必要である

○助成金について理解すべき3つのポイント
助成金はあくまでも、@新しい事業をするときや継続している事業の中で新しいことを始めようとする時などの「きっかけ資金」であって、A事業後の展望について団体内部できちんと描く(計画する)こと、B事業展開によって団体やスタッフが成長できるものであることが重要である。

○助成金の申請を検討する際のポイント
・情報の収集は怠らないこと・・・上手に助成金を獲得しているところはうまく情報収集
をしている。
・募集要項を熟読すること
・積極的に事前相談をする・・・助成金の募集要項は分かりづらいものが多いので、募集
の時期にかかわらず、事前相談の問合せをすると良い。

○申請にあたっての心構え
申請をすれば必ず通るというわけではないので、当然落ちることも考えなければならない。不採択になった場合、活動を全面的に否定されたように思ってしまう人もいるが、活動や人格の否定をしたわけではないので、それについてはあまり気にしないこと。それよりも、不採択になった理由を問合せ、同じ結果を招かないよう、理由を把握しておくことが大事である。

○申請書作成のポイント
先に紹介したことと重複になる部分もあるが、@募集要項をよく読むことA記入例を参考にする(慣れている人ほどそうしてほしい)B書式を逸脱しないこと=足りない分は添付資料で補足する(但し、添付の量はほどほどに)C表現は簡潔に、解決策・実現性は具体的に書くE予算書は算出根拠を明確にするF団体内部で読み合わせ、及び、情報の共有をするG提出期限は余裕を持つこと―等がある。また、審査員が注目してもらうためのポイントとしては、「自分達は何者なのか?」「どのような事業を行っているか?」といった団体情報を欄がある限りしっかり書くこと、欄がなくても成果やその後の展開についての記載をする(説得力が高まり、期待感を持たせる)ことになる。

○グループワーク(申請書の書き方と相手への伝わり方(共に表現方法)を体験する)
日々の活動の中から助成金が必要と考えられるものを一つ選び、4枚の紙にそれぞれ、@活動のタイトル(事業名)と団体名A活動の背景と目的B活動の主な内容C活動に助成金が必要な理由と今後の展望について記載する。書き終わった後、それを黙読で回し読みし、次にそれぞれの内容について意見交換。最後にもっと上手く伝わるよう、さらに、意見交換をして改善をしていく。
このワークは常に団体内部で行うと良いとのこと。


今回は情報公開や情報の共有など大きなポイント以外にも、申請にあたっての細かな注意点を教えていただきました。
なお、詳しくは、日本財団のHP「CANPAN」、または、荻上さんのブログ「晴耕雨読」をご覧下さい。
・日本財団『CANPAN』   https://canpan.info/index_view.do
・荻上さんのブログ『晴耕雨読』   http://blog.canpan.info/kaizokudan/


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