第11回会計税務講座
 サクサク作成!NPOの決算書の作り方

 ●講師:成田 由加里さん (公認会計士/税理士)
 ●日時:2008.3/13(木) 13:30〜16:30

 
3月13日会計講座の様子
 NPOの会計には、決まったルールはありませんが、NPOの法人には情報公開が義務づけられています。所轄庁に収支計算書・貸借対照表・財産目録を提出しなければなりませんし、任意団体はそれぞれの団体の決まりに沿って決算書類を作成することになります。どちらにしても重要なことは、「どんな活動をしているか伝えられる決算書を作る」ということです。
 今年度最後の会計税務講座では、NPO法人NPO会計税務専門家ネットワークメンバーで公認会計士・税理士の成田由加里先生を講師に迎え、決算書作成のポイントを学びました。

 一番の基本は、日常処理をこなすこと。会計日誌をつけることです。パソコンがあれば会計ソフトを活用して日々の処理を間違いの無いように積み重ねていくことです。月が終わるまえ期末には必ず現金を数え、現金出納帳と現金残高があっているかを確認し、代表や理事の承認をもらうことが大切です。

 そして区分経理です。区分経理には2種類あり、NPO法上と法人税上では、収益事業の定義が違うため最大4通りの会計を設ける必要があります。NPO法上でいう非収益事業と収益事業、法人税上でいう非収益事業と収益事業(いわゆる33業種に該当する事業)です。また、区分経理をする場合でも日常の帳簿はわける必要はなく、決算上で区分してあればいいのです。

 そこで、決算を行うときは、まずそれぞれの収支について固有のものを抽出します。残るのは共通の収支です。通常は収支についてはどの区分の収入かはっきりしているはずですから、共通の費用だけが残ります。共通の費用は、「どのような基準で按分したのか?」という問いに、大半の人が納得し説明ができるようにします。

 決算書類が出来上がったら、必要な計算書類(収支決算書、財産目録、賃借対照表)は揃っているか、それぞれの計算書類に間違いはないかどうかを実際に作成したものとチェックリストを突合せて確認していきます。こういった確認作業も、正しい決算書作成には欠かせません。

 決算書類を作成し、監査を受け、総会を開催し、その後の資料提出等までの作業スケジュールをきちんとたてることが決算書をスムーズに作成する重要なポイントの一つだと学びました。

 次年度も会計講座を開催します。ご期待ください!

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