第1回NPOマネジメント講座 はじめてだって大丈夫! NPOのための総会開催のポイント
●講師:大久保 朝江さん ((特活)杜の伝言板ゆるる代表理事) ●日時:2009.4/23(木) 13:30〜15:30
総会は、団体の一年の成果を会員に報告する場です。しかし、実際に開催するとなると戸惑ってしまう団体も少なくないようです。そこで、今年度第1回目となるマネジメント講座では、団体の想いが確実に会員に伝わる、総会開催のポイントを伝授する講座を開催しました。 講師は(特活)杜の伝言板ゆるる代表理事の、大久保朝江さんです。「総会とは」という導入から始まり、必要書類の作り方、開催までのスケジュールの立て方、さらに解散の手続きまで、大久保さんの豊富なNPO経験を踏まえながら、具体的に分かりやすく説明していただきました。 講座の主な内容は、以下の通りです。 ・総会とは 総会は、団体の基本的な方針や重厚な事項を決定する最高決議機関であり、年1回以上開催する義務があります。総会で決めなければならない事項は決まっており、中でも、定款の変更、解散、合併の3つは必ず総会を開いて決めなければなりません。 ・総会資料について 会員の他にも、利用者や市民、企業などに読んでもらう事を考え、団体の目的、活動内容、お金の動き、関わっている人、について、解りやすく且つ具体性のある作りにする必要があります。 ・事業報告書 事業の報告とともに、組織体制のガバナンスを公開するものです。事業内容は定款に示す活動項目順や重要な活動順に並べ、項目→該当する事業→成果など、というまとめ方をします。決算書の記入もこの事項に相対して記入すると、並べてみたときに解りやすくなります。行った事業はたとえ小さいものでもしっかりと記入するようにし、新聞の切抜きなどもあれば、添付するとわかりやすくなります。 平成21年度からは、宮城県のHP上にPDFファイルで公開される予定です。そのことも踏まえ、内部の情報ははっきりと、しかし個人情報に関わることは詳しく表示しないようにする必要があります。 ・決算報告(収支計算書、貸借対照表、財産目録) NPOの収支計算書と、企業で作成する損益計算書はイコールではありません。収支計算書は、年度内に実際に動いた収支のみ記載し、未払金や未収金など実際にお金が動いてない金額は記しません。 また、未払金などを含めたその事業に関わる収支のすべてを記した「活動収支決算書」を別に作成すると、年度内で事業にかかった全収支が明らかになり、1年間の事業実態が分かりやすくなります。企業で言う損益計算書がこれにあたります。 この他、「その他の事業」がある場合は、その別にその分の収支報告書を作成する必要があります。 ・次年度の事業計画書案と予算案 事業計画案と予算案の事業表記順を揃え、解りやすい資料を心がけます。各事業の計画もイベントや講座等の場合は、対象人数や開催回数など、具体的な目標数値を出すようにすると事後の評価がしやすくなります。 団体により、年度の始まる時期が異なりますが、総会の準備は約2ヶ月前から始めると良いそうです。今回は、(特活)杜の伝言板ゆるるで実際に使用している、事業報告書や、総会の案内状等を参考としながらの説明に、参加者のみなさんは熱心に耳を傾けていました。 また、「開催までの全体的な流れが把握できただけではなく、総会の意義を改めて理解できた有意義な時間となった」という声がありました。
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