「イェーイ!どうでSHOW!」
ゴキゲンな声。湧き上がる拍手。満面の笑顔。
1歳の時の転落事故により左の脳を失い、「もう話せない、歩けない、全盲、知能もわからない」と宣告を受けた堤友彦さんは、現在27歳。視力と右手の感覚を失いながらも、6日間におよんだトーク&ライブ東北ツアーの主役を務めました。
最終日となった6月11日、「NP・O結サロン」として企画したのは、障がい児も地域の学校で学ぶことを支援する「麦の会」、こころを核にした障がい者支援の「黒川こころの応援団」、不登校など生きづらさを抱えた人を支援する「フリースクール煌」などで作った実行委員会。
東北でのツアーを開催するにあたって広島県からはるばる同行した堤友彦さんの母・堤恵子さんは、堤さんの事故から、小・中学校、高校と、障がい者の受け入れ体制のない地域社会への踏み込みと、その時々の「壁」について、自らの経験を語りました。
難しかったのは高校受験。当時、制度としてなかった代筆受験を勝ち取り、3度目の受験で合格しました。
「障がい者の受け入れについて、制度ありきではない。まずは飛び込んで、環境を創っていかなければならない」と話し、「制度を変えるのは大変なこと、闘わなくてはいけない」という言葉は、息子である友彦さんだけではなく、同じ境遇にいた人たちの壁さえも壊したのでした。
堤さんは現在「楽器工房ムジカ」で音楽療法の助手をしながら、徳永宣英さんと「友彦&TOKU(どうでSHOW)」というユニットを結成し、ライブ活動をしています。
宮城県内9ヶ所で開催された今回のツアーも、みやぎNPOプラザを最後に、キーボードにタンバリン、手話に拍手と笑い声、みんなの笑顔に包まれ、幕を閉じました。
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